Q.所得税の金額の計算において損失が発生した場合に、損益通算の対象とされる所得はどのようなものですか?

 

A.所得の金額の計算において損失が発生した場合に、損益通算の対象とされる所得は事業所得、譲渡所得、不動産所得、山林所得です。
損益通算というのは、各種所得金額の計算において発生した損失のうちで、事業所得、譲渡所得、不動産所得、山林所得についてだけ、一定の順で、総所得金額、山林所得金額又は退職所得金額等を算出するに当たって他の各種所得の金額より差し引くことです。

ちなみに、退職所得と利子所得については、所得金額の計算において損失が発生することはありません。
また、給与所得、配当所得、一時所得、雑所得の金額の計算において損失が発生することはあるものの、その損失の金額は他の各種所得の金額より差し引くことは認められていません。
生活に通常不要である資産に関わる所得の金額の計算において発生した損失は、競走馬の譲渡に関わるもので一定の場合以外は、他の各種所得の金額との損益通算は不可能です。
不動産所得の金額の計算において発生した損失の金額のうちで次のような損失の金額は、その損失がなかったものとして扱われ、他の各種所得の金額より差し引くことは認められていません。
・土地(土地の上に存する権利が含まれます)を取得するために必要であった負債の利子に当たる部分の金額
・別荘等の生活に通常不要である資産の貸付けに関わるもの
・一定の組合契約を基に営まれる事業より発生したもので、その組合の特定組合員に関わるもの
そして、譲渡所得の金額の計算において発生した損失のうちで、一定の居住用財産を除く土地建物等の譲渡所得の金額の計算において発生した損失が存在する場合には、土地建物等の譲渡所得を除く所得の金額との損益通算は不可能です。反対に、土地建物等の譲渡所得を除く所得の損失についても、土地建物等の譲渡所得の金額との損益通算は不可能です。
申告分離課税の株式等に関わる譲渡所得等の金額の計算において発生した損失が存在する場合には、株式等に関わる譲渡所得等を除く所得の金額との損益通算は不可能です。反対に、株式等に関わる譲渡所得等を除く所得の損失についても、株式等に関わる譲渡所得等の金額との損益通算は不可能です。
ただ、平成21年分以降の所得税の確定申告で、上場株式等に関わる譲渡所得等の金額の計算において発生した損失の金額が存在する場合には、申告分離課税を選んだ上場株式等に関わる配当所得の金額より差し引くことが認められています(その上場株式等に関わる配当所得の金額が上限とされています)。
また、申告分離課税の先物取引に関わる雑所得等の金額の計算において発生した損失が存在する場合には、先物取引に関わる雑所得等を除く所得の金額との損益通算は不可能です。反対に、先物取引に関わる雑所得等を除く所得の損失についても、先物取引に関わる雑所得等の金額との損益通算は不可能です。

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