Q.株式等に関わる譲渡所得等に係る特例の一つとして特定口座制度というものがあるそうですが、この制度はどのような特例なのですか?

 

A.居住者等が金融商品取引業者等に特定口座の開設を行ったら、その特定口座における上場株式等の譲渡による譲渡所得等の額は、その口座外で譲渡を行った他の株式等の譲渡による所得と分けて算出をします。なお、一つの金融商品取引業者等で二つ以上の特定口座を開設することは認められていません。
金融商品取引業者等が上記の計算をしますので、金融商品取引業者等より送付される特定口座年間取引報告書を用いて簡易な申告をすることが可能です。このような特定口座を「簡易申告口座」といいます。
また、特定口座において発生する所得について源泉徴収することを選ぶことも可能で、このような特定口座(以下「源泉徴収口座」といいます)において上場株式等の売却を行ったことによる所得については、原則として確定申告を行う必要はありません。ただ、他の口座における譲渡損益と相殺したり、上場株式等に関わる譲渡損失を繰越控除する特例の適用を受けたりするのであれば、確定申告を行わなければなりません。

1.源泉徴収を選択する場合
特定口座の開設をしている居住者等が、その口座に保管等がなされている上場株式等の譲渡による所得等につき、源泉徴収を選ぶのであれば、金融商品取引業者等に対して、その年における初めの譲渡時までに「特定口座源泉徴収選択届出書」を提出しなければなりません。年の中途で源泉徴収しないように変更を行うことは認められておらず、この選択は年単位とされています。
源泉徴収を選択した場合は、源泉徴収口座における上場株式等の譲渡をしたら、そのたびに一定の計算によって、譲渡益に当たる額に7%(平成25年に払われるものに関しては7.147%のほか地方税3%、平成26年1月1日以降に払われるものに関しては15.315%のほか地方税5%)の税率を乗じて算出した額の所得税と復興特別所得税が、その譲渡の対価か差金決済に関わる差益に当たる額が払われるのに際して源泉徴収されることになっています。なお、復興特別所得税は、平成25年より平成49年までに発生する所得に関して、所得税と共に源泉徴収されます。

2.源泉徴収口座に受け入れた配当等と譲渡損失の損益通算
平成22年1月1日以降に源泉徴収口座に保管等がなされている上場株式等の配当等(一定の大口株主等が受けるもの以外です)を金融商品取引業者等の営業所を通じて受けるのであれば、その金融商品取引業者等の営業所に開設されている源泉徴収口座にその配当等を受け入れるという選択をすることが認められています。この選択を行うなら、「源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書」を源泉徴収口座が開設されている金融商品取引業者に対して提出しなければなりません。
この選択をしたら、源泉徴収口座に受け入れた上場株式等の配当等に関わる源泉徴収税額を算出するに当たって、その口座における上場株式等の譲渡損失の額がある場合には、その配当等の額よりその譲渡損失の額を差し引いた額に対し、源泉徴収税率を用いて所得税を算出します。
ちなみに、その源泉徴収口座において発生した上場株式等の譲渡損失の額につき、確定申告をすることによって、他の上場株式等に関わる譲渡所得等の額や申告分離課税制度を選んだ他の上場株式等に関わる配当等の額より差し引くのであれば、その源泉徴収口座に関わる上場株式等の配当等の額については確定申告不要制度を用いることができませんので、確定申告を行わなければなりません。

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