Q.所有する株式を発行した会社が破産し、その株式の価値が失われてしまった場合には、その損失を他の所得の金額より控除することはできないのでしょうか?

 

A.株式の発行を行った会社が破産したこと等によって、個人の有する株式の価値が失われても、そのことによる損失を他の株式等の譲渡益や給与所得等他の所得の金額より差し引くことは認められていません。
ただし、特定口座に保管されていた内国法人の上場株式が、上場廃止となった日以降、特定管理株式か特定保有株式に当てはまっていた場合において、その株式の発行を行った株式会社に精算終了等の一定の事実が生じたときには、その株式の譲渡がなされたものとして、その株式の取得価額を譲渡損失の額として取り扱う特例が存在します。この特例によって譲渡損失として取り扱われた額は、その年の他の株式等の譲渡益より差し引くことが認められています。
ちなみに、その譲渡損失として取り扱われた額が他の株式等の譲渡益より差し引ききれなくても、翌年以後にその額を繰り越すことは認められていません。

1.特定管理株式と特定保有株式
上記の「特定管理株式」というのは、特定管理口座に上場廃止となった日以降、引き続いて振替口座簿に記載がなされるか、保管の委託がなされている内国法人の株式(投資法人の投資口を含みます。以下同じです)のことです。
また、上記の「特定保有株式」というのは、平成21年1月4日に特定管理株式であった株式で、同月5日に特定管理口座より払い出されたもののうちで、同日以降、発行会社の精算終了等の一定の事実が生じた日まで、その株式と同一の銘柄の株式を取得したり譲渡したりしていないものであることに関して、一定の証明がなされた株式のことです。
なお、「特定管理口座」というのは、特定口座に保管をしている内国法人の株式が上場株式等に当たらないこととなった場合に、その株式を特定口座より移管することによって保管の委託がなされること等一定の条件に該当する口座のことです。特定口座の開設をしている金融商品取引業者等に対して、
上場株式等に当たらないことになった株式を初めて特定管理口座に受け入れるまでに、「特定管理口座開設届出書」を提出することにより、特定管理口座の開設を行うことができます。
ちなみに、特例の適用を受けるためには特定口座の開設がなされている各々の金融商品取引業者等に特定管理口座の開設を行っておかなければなりません。違う金融商品取引業者等の間で、特定口座より特定管理口座への受入れを行うことは不可能です。

2.一定の事実
譲渡がなされたこととされる上記の「一定の事実」というのは、次のことです。
・特定管理株式か特定保有株式の発行を行った株式会社か投資信託及び投資法人に関する法律第2条第12項に定められた投資法人(以下「特定株式会社等」といいます) が破産法の定めによる破産手続開始の決定を受けたこと。
・特定株式会社等が預金保険法第111条第1項の定めによる特別危機管理開始決定を受けたこと。
・特定株式会社等が解散(合併による解散を除外します)を行い、その精算が終了したこと。
・特定株式会社等が無償でその発行済株式の全てを消滅させることが定められた再生計画(民事再生法第2条第3号)に関して再生計画認可の決定を受けて、その再生計画に沿って無償で発行済株式の全てを消滅させたこと。
・特定株式会社等が無償でその発行済株式の全てを消滅させることが定められた更生計画(会社再生法第2条第2項)に関して更生計画認可の決定を受けて、その更生計画に沿って無償で発行済株式の全てを消滅させたこと。

3.特例の適用を受けるための手続き
この特例の適用を受けるには、適応を受けることを、上記2の一定の事実が生じた年の分の確定申告書に記し、以下の書類を添付しなければなりません。
・特例の対象とされる株式につき、特定管理口座を開設するか開設していた金融商品取引業者等より交付を受けた一定の事実等を確認した旨を証する書類
・特例の対象とされる価値を失った株式とその他の株式等を分けて記載された株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書

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